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2014.06.10

オリエンテーリングディレクター講習会

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先日、日本オリエンテーリング協会(JOA)のオリエンテーリングディレクター1級2級講習会に参加してきた。

JOAにはいくつかライセンスが存在するがディレクターというのは主に指導者向けの資格。指導者向けライセンスとしてまずインストラクター資格がある。これは初級者中級者への心技体における指導方法やけが故障の対応など競技指導者(コーチ)として知っておきたい内容を学ぶ資格。

ディレクターはインストラクターの上位にあり、クラブや協会などのオリエンテーリング組織運営や大会などのイベント開催、初心者の取り込み(普及活動)などで指導的立場となる人向けの資格で、それらに関する知識やノウハウを学べる。2級が普及活動(初心者の取り込みからその継続まで)を担う内容が中心で、1級は大会運営や組織運営を担う内容が中心。リスクマネジメントなどいくつか共通の内容もある。

僕はインストラクターの資格を持っているので今回はディレクター2級の資格を取得するために参加。実は僕はこの講習を運営しているJOA普及教育委員会のメンバー。講習会の講師がいないということでその講師を担う役割を期待されている。ただこの講習の講師をするためには当然その資格が必要で、さらに講師養成講座を受講しなくてはならない。必要に迫られてというのが受講の直接的な動機であった。正直なところ、この資格の存在意義はあるのだろうかと懐疑的に思う気持ちもあった。でもまぁ講師をすれば多少は収入の足しになるしね、と自分を納得させたくらい。

だけど講習を受けてみて考え方は変わった。昔の遺産の惰性でやっているわけではなく、最新の情勢を踏まえていろいろな取り組みについて受講者同士でディスカッションし、評価し合い、具体的な解決策を導くというプロセスを丁寧に踏み、前線で活躍できる人材を作り業界を活性化させることを見据えている資格なんだと思った。

村越さんのリスクマネジメントやメンタルマネジメントの視点からみた話題は、僕にとってはいつも聞いていることではあったけど、それを日常的なオリエンテーリング活動に落として考えてみるとまた違った新鮮さ、発見があった。僕でそうなんだから、きっと初めて聞く人にはもっと大きな視野を与えてくれるのではないかと思う。

愛場さんの医療面からみたリスクマネジメントに関する話が僕にとってはそうであった。大切だとは思いながらも地図の準備やコースの準備で結局後回しになってしまいがちな救護体制の準備ではあるが、準備の3本柱の1つとして早い段階から考えていかなくちゃいけないことなんだなと改めて考え直すきっかけを頂いた。あるいはコントローラの経験から語られた第三者への配慮などはぜひ大会を運営ている組織に関わる多くの人に知ってほしいと思う内容であった。

講習全体を通して特によかったのは自分たちが関わってきた組織以外の視点で評価をもらえる点であった。自分たちが大きな問題だと思っていることが意外と簡単に解決できるということに気づけたり、新しい見方を与えてくれた。最近僕が関わることの多い初心者への指導面でも、「初心者にわかりやすい言葉づかいを使いましょう」なんて言ってきたが、実は自分がまだまだできてなかったことがわかった。例えば整置するときに「身体を回転させる」という言葉を使って正しい方向を向いてもらうように説明するが、なかなかうまくやってもらえない。しかし本当にとってもシンプルな方法で、一発で分かってもらえる解決策が見つかった。目からウロコというか、コペルニクス的転回というか、なんでもっと気づけなかったのだろう。さっそく今週のディバズの講習でやってみようと思う。

もう1つ。次の画像は初心者向けの大会案内を作ろうという課題で作成したチラシ(ポスター)。ちなみに実際に存在する馬見丘陵公園オリエンテーリング大会を題材に作成していますが、内容は実在のものと一致するわけではないのであしからず。

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デザインの良しあしはひとまずここではおいておいて、オリエンテーリングの説明を一切していない点がこれまでの初心者向け案内と大きく異なる点。なんだかすごそうなことをやるらしい、前にテレビでやってた山を走るやつかもしれない、興味あるから行ってみようかな、というのを狙う発想。ちょっとでも興味があればネット検索して調べられる時代。多くの人に一通りの情報を与えるよりも、まずは興味を持ってもらえそうな人にターゲットを絞り、そしてインパクトある何かを訴えかけたほうがよいのではないか、と。

で僕がみなさんにお伝えしたいのは、そのチラシの狙いはどうなのか、という話でもなく、これを作った後のディスカッションについて。これを見て興味を持ってもらっても、検索した後に食いついてもらえるようなサイトやSNSを準備しておかなきゃ。そもそも検索してもらいやすくするためにSEO対策もやりたいね。でも、来てもらってもほのぼのローカル大会じゃ興ざめじゃないかねぇ。世界的にはメディア受けするコースが求められているけどそれって興味持って来た人たちに見てもらう手法としても使えるんじゃないの?そういうコース、舞台があれば一般愛好者も自分たちが競技者として一翼を担っているという意識を高めてもらえるかも。そうなればクラブのトレーニングも活性化するかも、そしたらそしたら、、、

どんな課題においてもこんなふうに議論がどんどん発展し、新しい可能性や課題が見えてきたりする。さらに、今回は受講者が少なかったからそこまでできたのかもしれないけれど、それを自分たちのクラブでやるにはこの人にお願いすればうまくいきそう、こういうふうにお願いしていけばやってくれるかも、なんて具体的な話にまで落とし込めた。現実的な目標、可能性が見えてくることで指導者のモチベーションが高まっていく点がなによりよかった。

ディレクターは比較的年配の方が受けに来る傾向があるようだが、受けてみて思ったのは20代半ばくらいの年代の人にこそ勧めたいと思った。特にこんなことやりたい、もっとこうすればよいのにといった野望や願いを心にもったことがある人に。勢いで始めるよりも、もっと体系的に整理し、広い分野からの意見にも触れたうえで、自分たちらしい活動を進めていくほうが成功への近道に感じる。

とおススメしてみたものの、そもそも開催が数年に1回なのでどうしようもない。JOAとしては開催回数場所を増やしていくと同時に、この資格の意義や中身の充実度を伝え、かつ具体的な運用例活用例を示し、愛好者関係者のみなさんに訴えかけていくことが課題であろう。他人事のようだけどこれが僕の宿題。でもワクワクできる宿題。とその前に事後課題(レポート)をやらなくちゃ2級いただけないのよ。

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コメント

自分も1級取りたかったんだけど、新潟のトレランメンバーと戸隠のレースに出ることにしていたので見送りました。

毎年やらないのは仕方ないとしても、日程をもう少し早く発表して欲しいものです(半年前くらい)。でも会場を押さえたり等々でそれもなかなか難しいですかね。

それと、自分も新潟でトレランナー向けに読図講習をしていることもあって、他の方がどのような教え方をしているのかが気になっています。読図指導者で集まって勉強会みたいなものは開けないものでしょうかね。

投稿: ふじしま(新潟) | 2014.06.11 11:19

ふじしまくん、コメントありがとう。

講師の調整がなかなかつかず案内が遅れがちになるようです。まぁ今回は日程は春先には決まっていたので公開がちょっと遅かった感もありますが。。1級は一緒に受けて同窓になりましょう。

JOA主催のセミナーを各地でできるようにするのが一番よいですが、まずは有志の勉強会でもいいんじゃないかと思います。講習会やっているオリエンテーリング関係者は結構たくさんいるし需要はあると思います。僕ら地方もんにとっては自分たちのところでやってもなかなか来てもらえないというのがありますが。。

今回のように講習会を部分参加可能な切り売りで行い、有資格者のブラッシュアップも図るとするのが効率よいように思います。講師資格取れたら年1回はやりたいです。

投稿: KOI | 2014.06.11 18:13

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